クリムゾン・ピーク

クリムゾン・ピーク / CRIMSON PEAK

2015年 アメリカ映画

監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:ギレルモ・デル・トロ  マシュー・ロビンス
撮影:ダン・ローストセン
プロダクションデザイン:トム・サンダース
衣装:ケイト・ホーリー
編集:ベルナ・ビラプラーナ
音楽:フェルナンド・ベラスケス

出演:ミア・ワシコウスカ   トム・ヒドルストン  ジェシカ・チャステイン  チャーリー・ハナム 


完全ネタバレ!結末に触れています

好きなものをとことん追求して描くオタク系監督ギレルモ・デル・トロ監督作品。
今回は20世紀初頭のイギリスが舞台のゴシック・ホラーである。

主人公イーディス(ミア・ワシコウスカ)は幼いころ
母親の幽霊を見て以来その存在を信じていた
母親の幽霊は言った「クリムゾン・ピークに気をつけなさい」
時はたち、小説家を目指す彼女の前に現れた没落貴族の青年トーマス・シャープ(トム・ヒドルストン)
自身が発明した採掘機の出資を募ってアメリカに来たという
だがイーディスの父親で建設会社の社長であるカーターは彼への支援を断り
そして人間的にも好きになれない、と言われてしまうトーマス
まあ正体は北欧の笑いの神で、ちょっと人間界で庶民に紛れて遊んでみようという魂胆なので
仕方ないか、と、それは別の映画でしたね
でもイーディスはハンサムで紳士的なトーマスに惹かれていって...
気がかりなのはトーマスに姉のルシール(ジェシカ・チャステイン)が常に付きっ切りでいること
このルシールがどうもただものではない雰囲気で
この姉と弟に裏があるのは、そうそうに示唆されますが、真相は終盤まで伏せられています

そうこうするうちにカーターが惨殺され(額が陥没するほど洗面台に叩きつけられる)
悲しみに暮れるイーディスは支えてくれるトーマスと結婚し、イギリスに渡る

シャープ家の館は大変立派なものでしたが、古く痛みかけていて、そして不気味な雰囲気がありました
そこでまた幽霊を見始めてしまうのですがトーマスとルシールは気のせいだというばかり
一方、土地の赤い粘土が染み出る冬までには仕上げたい、とトーマスは採掘機の完成を急いでいた
辺り一面の雪を真っ赤に染めることから、この領地はクリムゾン・ピークと呼ばれた
かつて母の幽霊が警告した、あの言葉だった

「アタシここにいたらやばくね?」と疑惑を追及し始めたイーディスの運命はいかに

「パシフィック・リム」のネット上の一騒動(といったら言い方が悪いか....)から
この監督への距離感というか若干の苦手意識が出てしまっていましたが、これを機会に鑑賞

タイトルのクリムゾン(深紅)のとおり
ユニバーサルなどの製作会社のロゴが真っ赤に染まって雰囲気たっぷり

当然、本編も美術、衣装、ゴーストのデザインもばっちり
ヴィジュアルに関しては満点でしょう

お話のほうは普通というかあまり好きではなかったかも
退屈とまでは言わないけどね

勝手な思い込みで申し訳ないのだけど
僕はこの姉弟を幽霊にしろ吸血鬼にしろ人間ではない何かだ、そうに違いないと決めつけていた
それがこの作品のどんでん返しである、とね
よく宣伝である”衝撃のラスト!”ってヤツ

それが普通の生身の人間であった。
ただ考えようによっては非人間であることより、もっとエグいオチでしたが

ずばりいうと、この二人は近親相姦の関係
ローティーンの頃に自分たちを虐待していた母親を殺して以来、支えあって生きてきた
そしてトーマスはイーディスの前にも数人の女性と結婚していた
条件は身寄りや親族がいなく、金持ちであること
消えても誰も探さない女性を殺し、財産を乗っ取るのだ
次はイーディスの番だった

幻想的な幽霊譚と、この妙に生々しい愛憎犯罪劇の組み合わせが
どうにもアンバランスなような気がしてのれなかった

トーマスはイーディスを本当に愛していたこと、また良心の呵責から
こんなことはやめて姿を消そうとルシールに提案するけど
逆上した彼女は彼を刺し殺してしまう

その後は、イーディスとルシールの女同士の肉弾戦に発展する
ルシールにとどめを刺されようという時、トーマスの幽霊が現れ
それに気を取られたルシールはイーディスにシャベルで頭を割られ死亡

ふわ~と浮くトーマスの幻影はスタンドみたいで笑ってしまった
本来はロマンチックな名場面なんだろうに

イーディスは助けに駆け付けた幼馴染のアラン(この人のこと全然書いてませんがメインキャラです)
とクリムゾンピークを後にしました。屋敷には呪縛霊と化したルシールがピアノを悲しげに弾き続けていた

エンドクレジットが終わるとパタンと本が閉まり
”クリムゾン・ピーク 著者イーディス・カッシング”の文字が
イーディスがこの体験をまとめて小説にしたのか
それとも物語自体が全くの想像の産物だったのか
こういう終わり方は余韻がありますね

役者ではジェシカ・チャステンの狂気じみた怪演が印象に残りましたね
特別好きってわけじゃないけど、今、一番売れてる女優なだけはある
話題作にはしょっちゅう出てくるもんね、この人
お父さんに手を下したのがいかにも怪しい弟ではなくこの姉っていうのが凄い
このお父さんは努力して肉体労働者から会社の社長まで上り詰めた人で
恐らくはアイルランド移民かな、それでも貴族から見れば成り上がり、という意識はあったでしょうね
落ちぶれたとはいえ貴族の自分が貴賎のものに袖にされるというのが我慢ならんかったんでしょう
頭ぐちゃぐちゃにするくらいにはね
そんな特権階級の傲慢を非難するって意味も込めてたのかな、この場面は


ミア・ワシコウスカは「アリス・イン・ワンダーランド」の時は不機嫌そうな表情が
アンニュイな雰囲気を醸し出していたけど、この作品ではただ不機嫌そうなだけに見えてしまった
それに衣装もそうだし絵面も似てるから、何だか「アリス」のスピンオフでも見てるのかって気分になってくる
バートンもデルトロも「唯一無二のヴィジュアリスト」って言われますけど
ぶっちゃけ似てますよね、お互いの作品

トム・ヒドルストンも貴族的な振る舞いがビシッと決まっていますし
チャーリー・ハナムも一途な男を好演してますが(でも影が薄い)

男優に関してはあまり印象に残りませんでしたね

まあ、それはこの作品の演出上の意図でしょうし今の映画界の時勢もあるのでしょう

それにデル・トロ監督はフェミニストっぽい傾向があるなというのが僕の印象
「パンズ・ラビリンス」「パシフィック・リム」はそうでしたし

こういった話題はぼんやりとした見識で語ると痛い目を見るのでこの辺で...
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2010年4月からブログ始めました。
1985年生まれの北海道住まい。

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