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フック

フック / HOOK

1991年 アメリカ映画 トライスター製作

監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作:キャスリーン・ケネディ フランク・マーシャル ジェラルド・R・モーレン
製作総指揮:ジム・V・ハート
原作:ジェームズ・M・バリー
原案:ジム・V・ハート ニック・キャッスル
脚本:ジム・V・ハート マライア・スコッチ・マルモ
撮影:ディーン・カンディ
編集:マイケル・カーン
音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演:ロビン・ウィリアムズ _ ダスティン・ホフマン

40歳の敏腕弁護士ピーターは家族を顧みない仕事人間。
そんな彼がイギリスにある妻の実家を家族とともに訪ねた夜
何者かが息子ジャックと娘マギーをさらってしまう。
途方に暮れるピーターの前に妖精ティンカーベルが現れ、彼を別世界に連れて行く。
たどり着いた先はネバーランド。ピーターは記憶を忘れて大人になったピーター・パンだったのだ。
そしてジャックとマギーは宿敵フック船長に捕らわれていた。
今やただの凡人と化したピーターだが、戦いを決意する。
失いつつある子供たちとの絆を取り戻すために。






今回は、王道ド真ん中、バリバリのファンタジーを選びました。

実はちゃんと見るのは初めての作品。
一回見た記憶はあるのですが、その時は十歳にもなっていなかったので、ほとんど忘れています。
でも、うっすらとだけど、結構残酷だったような印象があります。
何せ子供だったので、派手な衣装の海賊がそう見えたのかもしれません。

それにスピルバーグ作品って結構残酷な場面ありますしね。
(インディ・ジョーンズシリーズには4作とも多少のグロあり)

で、「フック」なんですが、去年もピーター・パンの映画公開したでしょ?
ヒュー・ジャックマンが出てる「PAN」
その新作、見ようかなと思ってて、その前に「フック」も見ておきたいなとなったんです。
結局PANは見に行かず、フックも後回しになりましたが
この時期に見れて、かえってよかったのかも。

公開当時(もう二十五年も前なんだな)は酷評されたらしいけど、面白かったですよ。
むしろ、今この歳で見たからこそ楽しめたような気がします。

かつて"永遠の少年"だったおじさんが主人公。
だから最初は活躍せずに、中年のダメっぷりの描写が続くのです、一時間以上。
ピーターが記憶と力を取り戻して覚醒するころ、物語はそろそろ終盤に差し掛かっています。
もし小さいときに見ていたら、「冒険ファンタジーなんだから、初めからワクワクさせやがれ」
と、つまらなく感じたでしょうね、当時の僕は。あ、だから見てても覚えてなかったのかあ....

頭の固い大人にはなりたくない、というのはよく言われます。
かといって、ずっと子供のままでいられるわけではない。

でも、心はいつまでも若くいられることができる
それは冒険心だったり、劇中で何度も言われる"信じること"だったり

フックを倒し現実世界に戻ったピーターは、今後、空を飛ぶことはもうないでしょうが
家族とともに人生という名の冒険はこれからも続いていくのです

そんなふうに、ストーリーは上手いこと、まとまってました。

話の筋が支離滅裂という批判意見は、自分は全くそうは思いません。
いや、そういう意見をいくつか見かけたのですよ。
他の人の感想にとやかく言う権利はないけどね。

ただ内容そのものよりも僕が一番良かったのは
ロビン・ウィリアムズの生き生きとした演技。

彼は"少年の心を持った男性"を演じたら右に出るものはいない人でした

「ミセスダウト」「トイズ」「フラバー」などもそういうキャラでしたし
「ジャック」での役柄では少年そのもの(通常の四倍の速さで体が成長する十歳児)でした。

そんなロビンがピーター・パンに扮するというのはなるべくしてなったというか。
そりゃ見た目は歳いってますが。

いらついた仕事人間、どんくさい太目のオッサンである前半から
後半、本来の姿になったピーター・パンへの変わりようがとても鮮やか
アクションシーンでも大活躍、所々はスタントマンだろうけど
本人の部分が大半じゃないかな、顔がしっかり写ってるし。
特典のメイキングで、インタビューに楽しそうに答えてるのを見ると
他界された今では少々悲しく感じますが、
残された作品や演技を見ると、本当に不世出の人だったんだなぁと、再確認

しかし、なぜタイトルが「フック」なのかが謎。
フック船長側から見た話というわけではないのに。
“ピーター・パン”だと他の作品と混同するからというのが実際のところだろうか
約十年後にもピーター・パンの映画作られたしね。

フックも存在感ありましたよ。演じてるのがダスティン・ホフマンですから当然です。
途中、ピーターの息子に優しくする辺りは結構いい人?と思わせといて
本当は全くそうではなく、息子の心を自分に向けさせることで、ピーターを苦しめようという作戦。
ラストの決闘でも最後の最後まで悪役を貫きます。
終いにはワニの像に下敷きになって消えてしまう
(そうそう、ここの場面だけ覚えてました)

死体はどこいったの?って気もしますが(笑)
ファミリー映画だから、死体を見せるのはNGというのと
(ならばルフィオも死なせないでほしかった)

ピーターが大人であることを自覚した今“ピーター・パン”はもういないわけで
そうなると憎み続ける対象を見失ったフックの存在意義もなくなる
だから煙のように消え去った、と

そう考えたらちょっと切なくなりました。


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フック

想像できるかい?フック船長のいない世界を。 1991年(HOOK)製作国:アメリカ監督:スティーヴン・スピルバーグ原作:ジェームズ・M・バリー製作:キャスリーン・ケネディ、フランク・マーシャル、ジェラルド・R・モーレン製作総指揮:ジム・V・ハート脚本:ジム・V・ハート…

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No title

こんにちは!
初見がいつだったのかも思い出せないくらいですが、オジサンのピーターがかつての少年の目に戻るところはなんとなく覚えているような。本当に"少年の心を持った男性"を演じたらピカイチでしたね…

タイトルについては確かになんで?という感じですよね(笑)
フックを演じたのはホフマンでしたっけ。貫禄ありそう!

>ピーターが大人であることを自覚した今“ピーター・パン”はもういないわけでそうなると憎み続ける対象を見失ったフックの存在意義もなくなる

うわぁ、この一文だけで切なくなってきましたよ。
記憶も薄れてきているし、機会があったら再見したいです。

今回もご参加ありがとうございました♪

Re: No title

宵乃さん、こんばんは

> 本当に"少年の心を持った男性"を演じたらピカイチでしたね…

他にこの役をできそうって言ったら
トム・ハンクスくらいかなあ。意外とジム・キャリーとかいいかも
思い切ってニコラス・ケイジとか(笑)ニコラスの少年心は相当強いでしょうから

考え出したら結構いるなぁ、ピーターパンが似合いそうな人(笑)
でもあれだけ優しさや人間味を出せたのはロビンだからこそ、だと思います。

> >ピーターが大人であることを自覚した今“ピーター・パン”はもういないわけでそうなると憎み続ける対象を見失ったフックの存在意義もなくなる
>
> うわぁ、この一文だけで切なくなってきましたよ。

フックもそうですがティンカーベルも切なかった。
実はジュリア・ロバーツってそんなに作品見てないんですが、この映画ではとても良かったですよ

こんばんは。

はじめまして、MOVIE-DICの白くじらと申します。
今回の「ブログ DE ロードショー」、「第4回真冬のファンタジー企画」つながりでやってきました。

恐らく劇場で観て以来でしたが、懐かしかったですね。
ロビン・ウィリアムズもダスティン・ホフマンもハマリ役でとてもいい。特にロビン・ウィリアムズは力を取り戻してからは本当に生き生きとしていて楽しかったですね。

ルフィオの扱いがかなり酷かったですが、後半はなかなか泣ける話でよかったと思います。
企画を通して、思い出せてよかった作品でした。ありがとうございました。

トラックバックさせて頂きました。

Re: こんばんは。

白くじらさん、こちらこそはじめまして

>恐らく劇場で観て以来でしたが、懐かしかったですね。

二十数年以来ですか、それは感慨もひとしおかと思います。

ルフィオは最後が残念でしたが、彼のファンはたくさんいると思います。
かっこよかったですから。

コメントとトラックバックありがとうございました
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バーンズ

Author:バーンズ
2010年4月からブログ始めました。
1985年生まれの北海道住まい。

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