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キングスマン

キングスマン / KINGSMAN : THE SECRET SERVIS

2014年 イギリス映画

監督:マシュー・ヴォーン
原作:マーク・ミラー  デイヴ・ギボンズ
脚本:ジェーン・ゴールドマン  マシュー・ヴォーン
撮影:ジョージ・リッチモンド
プロダクションデザイン:ポール・カービー
衣装:アリアンヌ・フィリップス
編集:エディ・ハミルトン  ジョン・ハリス
音楽:ヘンリー・ジャックマン  マシュー・マージェソン

出演:コリン・ファース タロン・エガートン サミュエル・L・ジャクソン


否定的なレビューです





話題作ながら今まで見ていなかった映画
理由はこの監督の「キック・アス」が苦手だったからですが
やはり見てみようと急に思い立ちまして
結果はやっぱりな、というか案の定という感じで
好きになれませんでしたが、決して駄作だとは思っていません

ベテランスパイのハリーが
不良少年エグジー(彼の父親はハリーの命を救うために犠牲になっている)を
新人としてスカウトし鍛えていく、という師弟ものと
大富豪にしてエコテロリストのヴァレンタインの陰謀を阻止する
王道のスパイものを両立させてる構成に無理はない
しかし、描写のやりすぎ感というか突き抜け具合が自分は苦手でした
暴力描写もそうですし、あとはまあ色々ね

逆にその容赦なさが肯定派には熱狂的に受け入れられてるのでしょう
それは「キック・アス」の時も同様でした。
ネットで映画関連の文を見ていると
この監督への支持は相当なものだと感じています
一時のクリストファー・ノーランや
「パシフィック・リム」の頃のギレルモ・デル・トロを彷彿とさせる

ハリーとヴァレンタインは敵対する善と悪ですが
ともにスパイ映画が好きという共通点があり
「最近の作品は真面目すぎる」「昔の007が理想的」と
映画談義に花を咲かせます(あくまで表面上の駆け引きなのですが)

世界を救うヒーロー
バカバカしいほど壮大な計画で人類を滅ぼそうとする悪役
あっと驚く方法で危機を切り抜けるアクション
秘密兵器、そして美女とのロマンス
そんな往年の娯楽大作だったスパイ映画を今風にアレンジしたという趣旨なのでしょうが
正直、現在の感覚に振り切りすぎたような気がします。

でも正直に言うと、教会の大乱闘は興奮したよ
相当に残酷なんだけど、ものすごく速い映像展開なので
顔を背けたりしかめたりする暇もない
その隙を与えないとも言えるし、爽快感すらあった
しばらくたつと、それってかなり危ないことでもあると考えなおしましてね
残虐性への嫌悪をかっこよさで麻痺させてるということだから
あえて言うと麻薬的です

ヴァレンタインのキャラ造形にも思うところがあります
彼は地球温暖化の原因は人間であると考え
自分が選んだ者たち以外、マインドコントロールで抹殺するというのが彼の計画
過激な環境保護団体への皮肉であるのですが
この悪役の主張は本来、もっと追及してもいいというか、すべき事柄なのに
ただのクレイジーでコミカルな悪役になっている

エコロジストぶるつもりはないですが
温暖化は真面目に考えていかなきゃいけない問題だと思いますし
こんなふうに茶化していいのか疑問です
いったい、監督は何を考えているのでしょうか

一番、受け入れられなかったのは、あれですね、爆弾花火
演出はポップですが、当然、その後は大量の首なし死体が残るわけで
笑えるんですか?あれ。自分は不快でした。

それに、あそこまで行くと
自分たちだけ安全なシェルターに入るような連中は
ああなっても自業自得って言ってるみたいで
思想やメッセージに関して、何か危険なものすら感じる

自らの理念に反するものは排除する集団と
映画の中で揶揄されたキリスト教右派と何が違うのか?
主義主張をむき出しにせず、アクションコメディの体裁で包んでいるだけに
この作品のほうがいっそ悪質であると思う

いけ好かない上流階級なんてくそくらえ
っていうイギリスらしいパンク精神は感じましたけども
(詳しくないけどパンク・ロックはやっぱりイギリスってイメージ)

僕はこの映画と監督にこそくらくらえと言いたいね

それにしても、これに出てくる偉い人や育ちのいい坊ちゃんは
ことごとく嫌なやつらばかりだった
あの訓練仲間は最後に助っ人になる展開を期待してたけど、無駄だった
マイケル・ケインの扱いはある意味、拍手ものだけど。



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バーンズ

Author:バーンズ
2010年4月からブログ始めました。
1985年生まれの北海道住まい。

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