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ヒーローの神髄

キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー
CAPTAIN AMERICA : THE WINTER SOLDIER


2014年 アメリカ映画 マーヴェル・スタジオ製作 ウォルト・ディズニー配給

監督:アンソニー&ジョー・ルッソ
製作:ケヴィン・ファイギ
脚本:クリストファー・マルクス ␣ スティーヴン・マクフィーリー
撮影:トレント・オパロック
編集:ジェフリー・フォード ␣ マシュー・シュミット
プロダクションデザイン:ピーター・ウェナム
衣装:ジュディアナ・マコフスキー
音楽:ヘンリー・ジャックマン

出演:クリス・エヴァンス ␣ スカーレット・ヨハンソン ␣ サミュエル・L・ジャクソン ␣ ロバート・レッドフォード

ロキ&異星人から世界と人類を守り抜いたアベンジャーズ。
メンバーの一人である"キャプテン・アメリカ"ことスティーヴ・ロジャースは
平和維持組織シールドのエージェントとして日々、戦っていたが
シールドが強硬な姿勢に懸念を抱く。

その後、シールド長官のフューリーが謎の暗殺者ウィンター・ソルジャーに襲われ
スティーヴたちにも魔の手が迫る。
難を逃れたスティーヴは数少ない仲間とともに陰謀に立ち向かう。



「アベンジャーズ」は究極のヒーロー映画と呼べるものだった。
"陰"を含んだ作品がお好きな方は「ダークナイト」を最高傑作にあげると思うのですが
なんだかんだ言って自分は"陽"がより好きなので「アベンジャーズ」を押したい。

そのアベンジャーズのメンバーの中で、「足手まといが一人いる」「こいつ、いらなくね?」
と呼ばれがちな男がいた。
まぁ、要はそれはキャプテン・アメリカだったんですけど

これは仕方ないのです。
ハイテクも怪力も魔法も持ってない、自分の肉体と頭脳だけを駆使するわけですから
派手で見栄えのするものと並んでしまうとね、どうしても地味に見えちゃう。

キャプテンの前二作での戦いぶりを物足りなく思っていた人にこそ、この映画を見てほしい。

こんなに強かったのか、と驚くでしょう。

走る、殴る、蹴る、投げる、跳ぶ、生身の肉体で可能なことを極限まで追求したリアルアクションの連続。
盾もどんな投げ方してもちゃんと戻ってくるのでそれ自体に意思があるのかと錯覚してしまう。

こういう風にそれぞれのヒーローの能力、戦い方が区別されてるていうのがうまいですよね。
だから共演した時に印象が被らずにすむ。

この映画は脚本もいいんですが
アクションシーンの出来が本当にどれも素晴らしく、何度でも見返したくなるカッコよさでした

キャプテンのライヴァル、ウィンター・ソルジャーがまた強烈

ロキ以外の悪役はそれほど印象に残ってないんですが、ロキに匹敵するほどのキャラクターの登場です
コミカルでどうにも憎み切れないロキととことん怖いソルジャーでは方向性が違うのですが

ウィンター・ソルジャーの何が怖いかというと

彼自身の感情ではなく、記憶を消されたうえでインプットされた命令に従って
機械的に襲ってくるという部分でした。

見た目も口元をマスクで隠しているので日本人的には凄くかっこよく見えます。
反対に、ヒーローの顔で口を出すデザインってのは何故か日本人受けしないようですね~
日本でバットマンの人気がいまいち定着しないのも、それが原因っていう説もあるし
でもロボコップは根強い人気あるしなあ。

マスクを外すと、ちょっと可愛い顔してましたけど(笑)
クリエヴァも結構童顔だけど、それ以上に幼い顔立ちの印象です。
このセバスチャン・スタンって人、あまりよく知らない役者ですが、これからブレイクするでしょう。

しかしウィンター・ソルジャーはただの強敵の一人では終わりません。
正体はバッキーと言ってキャプテンの親友でした。前作で橋から落ちて行方不明になった人です。

かつての親友同士による宿命的な戦い。
これは切ないけど、最高に熱いシチュエーションでもあります。
「アンブレイカブル」のレビューでも書きましたが最大の敵は最大の友。
これはもうお約束なんですよね。
正義と悪、普通の見方をすればそうなるけど、どちらにもそうせざるをえない背景があり信念がある。

これは黒幕のピアースにも言えることでした。
ロバート・レッドフォード演じるピアースは
テロで娘を失いかけた経験から、惨事の前に不安因子を排除するという極論をもっていて
似たような理念を掲げるヒドラの幹部の座に収まっています。

同じ悪役でも他の作品のジェフ・ブリッジスやガイ・ピアースの演じた役と比べて
とても強い目的意識を持っているように思いました。

命を落とす瞬間にもヒドラに心底、心酔してる辺り、恐ろしいけど、どこか悲しくもありました

レッドフォードさんもアメリカでは好人物というか良心のシンボル的な人でしょうに
こんな黒いキャラクターをよくぞ引き受けてくれましたね。

だからこそ、クリスの青臭いまでに真っ直ぐなキャプテンの演技が引き立っているのでしょう。

キャプテンの何が素晴らしいかって、自らの信じる正義をどこまでも貫き通すところです。
その正義を周囲に押し付けるわけでもなく、自分に出来ること、正しいと思うことをやる、それだけなんです。
だから、皆、従ったり、協力したくなるんだろうな。

アベンジャーズ関連の映画は大方見てきましたが僕の中では抜きんでているのは3つ
まずは「アイアンマン」。もうひとつは「アベンジャーズ」、そして3つ目は「ウィンター・ソルジャー」です。

「アイアンマン2&3」やソーの二作品も楽しみましたけど
どちらかというとファン向けというような感じはしましたね。
他のヒーロー映画のファンにも、ぜひ見て!と一押しするのでもないかな、と。
結構、ヒーローというかアメコミ映画ファンの間でも派閥あるようですしね....

でも「ウィンター・ソルジャー」はサスペンスアクションが好きならば
アメコミに興味ないって人にも勧めたい出来なんです。

今回のルッソ監督はコーエンのように兄弟で演出してるそうですが
これまでは駄作ではないにしろ、そんなに大した映画は撮ってないと思います。

「ウェルカム・トゥコリンウッド」はタランティーノやガイ・リッチーの二番煎じみたいなもんっていう記憶しかないし
「トラブルマリッジ」(オーウェン・ウィルソンとケイト・ハドソンのラブコメ)もそこそこだった。

ですが、今回の大化けぶりはほんと、凄い。

それと一連のマーヴェル作品を見てて思うんですが

前作が大ヒットしたり好評だったならば、次はそれを超えるくらいのクオリティのものを作ろうという気概を
このスタジオからは感じますね。正しい続編の姿というか

最近は続編が製作されると、オリジナリティが欠けてるといった批判に行きがちですが
まずはヒットしなければ続きも作られないし製作側も人気を見込んで作るわけです。
中には続編が公開される頃にはすっかり人気が冷めてしまい、不発に終わったものもたくさんありますが

マーヴェルの場合は凄くシリーズを大事に作ってるし
ファンが満足するには、どういうことが必要か、そこをちゃんとわかってる印象ですね。
そんなファンの大きな期待を裏切らず、予想以上の作品を出してきたなと今回は特にそう思います
今後もこのテンションを維持し続けるれるのかというと、それもまた未知数ですが
この「ウィンター・ソルジャー」を見る限り、まだまだ勢いは続くと期待しています。

個人的にはバッキーのその後はぜひやってほしいですね

クレジット後の姿には居場所をなくした戦士のような哀愁がありましたし、
洗脳は解けたのか?記憶は戻ったのか?
敵対したままなのか、協力するようになるのか、非常に気になります


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バーンズさん こんにちわ

そうですよね。あまり話題にはなりませんでしたね。

1作目よりははるかに面白かったし、自分的には《アベンジャーズ》より好きです。

アクション、かっこよかったですね~。

そうそう、まるでブーメランか、どんな命令でも聞く下僕のように
手元に戻ってくる楯の存在は大きいです。

キャプテン・アメリカの不器用なまでのまっすぐさ、真面目さに共感でき
心から応援できる作品でした。
ウィンター・ソルジャーも、いずれは味方になってくれるんじゃないかなぁ。

次回作も楽しみですね☆

Re: バーンズさん こんにちわ

mia☆miaさん、こんばんは

> 1作目よりははるかに面白かったし、自分的には《アベンジャーズ》より好きです。

アベンジャーズはお祭り的な側面ありましたからね

> そうそう、まるでブーメランか、どんな命令でも聞く下僕のように
> 手元に戻ってくる楯の存在は大きいです。

きっと楯もキャプテンの人柄にほれ込んでいるのかも(笑)

> 次回作も楽しみですね☆

2年後に公開することがもう決まってますからね、待ち遠しいです

バーンズさん、こんにちは!

キャプテン・アメリカの事、足手まといだなんて、
一度も思ったことありませんよ(^^;
アベンジャーズでも、冷静で良いまとめ役=リーダーでしたもん。

でも前よりすごく強くなってましたね!
ウィンターソルジャーとの肉弾戦はとても見応えがありました。
この悪役もほんと魅力ありました~
最後に記憶は戻ったように見えましたが、どうなるのか・・・

確かに、マーベルは前作を超えるクオリティの作品を
ちゃんと作ってますね。
だから続けて観てしまうんですよね~
次回作も楽しみです。

Re: バーンズさん、こんにちは!

YANさん、こんばんは

> キャプテン・アメリカの事、足手まといだなんて、
> 一度も思ったことありませんよ(^^;
> アベンジャーズでも、冷静で良いまとめ役=リーダーでしたもん。

そう仰っていただけると嬉しいのですが、どうも検索すると
キャプテン弱いっていう声が多くて。
確かに他の面子に比べると地味に見えがちですが本当に王道のヒーローなのに
過小評価されてる気がします。僕も、「アベンジャーズ」の中では1番好きになってるかも

> 最後に記憶は戻ったように見えましたが、どうなるのか・・・

次作でも絶対、出てくるだろうと思ってますが、何か「キャプテンアメリカ3」はかなり予想外の展開に持ってくとか情報サイトで見ました。

> 確かに、マーベルは前作を超えるクオリティの作品を
> ちゃんと作ってますね。
> だから続けて観てしまうんですよね~
> 次回作も楽しみです。

でも、これだけ当たりが続くと逆に不安になってきますね。
来年、大本命の「アベンジャーズ2」があれ?物足りない?って感想にならないか心配
それでも期待は裏切らないと信じてます
プロフィール

バーンズ

Author:バーンズ
2010年4月からブログ始めました。
1985年生まれの北海道住まい。

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