ラッシュ プライドと友情
ラッシュ プライドと友情 / RUSH
2013年 アメリカ・イギリス合作映画
ワーキング・タイトル・フィルムズ イマジン・エンターテイメント製作 ユニヴァーサル配給
監督:ロン・ハワード
製作:ブライアン・グレイザー ロン・ハワード アンドリュー・イートン
エリック・フェルナー ブライアン・オリヴァー ピーター・モーガン
脚本:ピーター・モーガン
プロダクションデザイン:マーク・ディグビー
衣装:ジュリアン・デイ
撮影:アンソニー・ドッド・マントル
編集:ダン・ハンレイ マイク・ヒル
音楽:ハンス・ジマー
出演:クリス・ヘムズワース ダニエル・ブリュール オリヴィア・ワイルド アレクサンドラ・マリア・ララ
2013年 アメリカ・イギリス合作映画
ワーキング・タイトル・フィルムズ イマジン・エンターテイメント製作 ユニヴァーサル配給
監督:ロン・ハワード
製作:ブライアン・グレイザー ロン・ハワード アンドリュー・イートン
エリック・フェルナー ブライアン・オリヴァー ピーター・モーガン
脚本:ピーター・モーガン
プロダクションデザイン:マーク・ディグビー
衣装:ジュリアン・デイ
撮影:アンソニー・ドッド・マントル
編集:ダン・ハンレイ マイク・ヒル
音楽:ハンス・ジマー
出演:クリス・ヘムズワース ダニエル・ブリュール オリヴィア・ワイルド アレクサンドラ・マリア・ララ
何度も好きな監督だと書いてきたロン・ハワードの新作であり
主演がクリス・ヘムズワースだというのにも注目していた作品
そろそろ終了かなっていう頃合いですが、見ることが出来ました。
よかったです、非常に。
まず、レースシーンがものすごく迫力ありましたね、月並みな感想ですが(笑)
かなり細かいカット割でしたが見辛さはなく、臨場感に溢れています。
”壮大なヒューマンドラマ”と宣伝されてますが、それと同時に一級のアクション映画でもあります。
僕はF1のことは何も知らないのですが(車そのものにもあまり拘らないタチで.....)
それでも、マシンのかっこよさは十分伝わってきましたよ。
ただ他の監督だったら、F1カーそのものをもっと艶かしく撮るんだろうなあ、という気はしましたかね
(リドリー・スコットとマイケル・マンはそういうイメージ)
ハワード監督の焦点はあくまで人間なので
”F1に詳しくない”というのは本作を楽しむ妨げにはならないと思います。
何せ主役のクリスがそれほどF1に思い入れがないといってるのですから
ちなみに監督も脚本家もそれほどF1ファンではないとか。
とはいえ時代考証自体は昔からのF1ファン、
それこそ当時を知っている方々が見ても完璧に近いくらいの再現度らしいですけどね。
「マイティ・ソー」でブレイクした後、当然の如くオファーが殺到した中でこれを選んだ理由
それは尊敬するロン・ハワード監督とぜひ仕事がしたかった、とのこと
監督もオーディション用のテープを見て即決したのだそうです。
クリス曰く「ロンが監督じゃなければ、ただの車についての映画になっていたと思うよ」
よくぞ言ってくれました。
そんな監督・主演のコンビでいま再び新作が製作されています。今度は海洋モノ。
話の核となるのはジェームズ・ハントとニキ・ラウダ。
この御二方は、失礼ながら今回、初めて知りました。
が、その二人の関係、変遷は、まるで、それ自体が極上の物語となりうるほど
ドラマチックなものでした。
ハントはロックスターのようなプレイボーイ。
常に女性が群がり、いや、男も引き寄せるカリスマ性。
豪快に遊び、豪快に走る。
ラウダはストイックな仕事人。地道な努力、鍛錬、したたかな計算力でもって
緻密なドライヴィングでレースを制する。
女には不器用で一途、新婚のハネムーンでは「キャッキャウフフ」と走る新妻を
「待て待てー」と追いかける初々しさである(ちょっと見てて赤面したw)
こう書いてくと、まるでいけ好かないナンパヤロウのハントに
実直な好青年ラウダが立ち向かうみたいな構図に見えてしまいますが(日本的感性だと余計に)
そう単純でもなく、ラウダも結構クセモノで
プライド高すぎて、ちょっと俺様気味というかエゴイストなんですね、レースに関しては。
何せ口癖は"ASSHOLE"ですから。友達も少ない。これはレヴェルが他のレーサーじゃ全然追いつかなくて
ほぼ一人勝ち状態だったからやっかみもあったのかなって気がしますね。
それでも本人は嫌われようがどこ吹く風、ただレースをこなすのみ、それだけさ。そんな態度を崩さない
パーティで盛り上がるハントにラウダは
「君とつるんでる連中はただ愛想笑いをして浮かれて馬鹿騒ぎをしてるだけだ
それは真のリスペクトではない」と言い放つ。
まさに孤高の王者ラウダ。
一方、所属チームのオーナーの貴族がF1から手を引き、居場所を失いクサっていた彼は
悔しさをバネに強豪チームに移籍、面談の際に「俺はあいつに勝つ!」と意気込みを語る。
ここからハントの猛追が始まる!
もうどっちが主人公でも納得する、どっちにも共感できる描き方なんです
ここのレースシーンはいくつかのレースをダイジェストというかモンタージュ風につなげることで
テンポが凄くよく感じました。レースをひとつずつやるとだれちゃうだろうしね
そこにのっかるハンスの音楽、ノリまくりです
その後、劇的な展開を迎えますが、予告編の時点でネタバレしてましたね
ドイツのニュルブルクリンク、悪天候のため、ラウダはレースの中止を提案しますが
(少し前の場面で脛を破壊されて担架で運ばれる人が痛々しい...)
勢いづくハントや少しでもポイントを稼ぎたい選手たちから非難されてます。
怖いのか、とか、このまま勝ち逃げする気か、と。
そもそもラウダ自身が劇中、言っています。
事故死した選手に対して、誰のせいでもない、それが彼の力量だったと。
困難な状況でこそ、ドライヴァーの真価が問われる。
結局、人気者のハントの意見が通り
日頃から付き合いの悪く反感をもたれているラウダに賛成するものはわずかでした。
そんなときに限って、大事故は起きてしまった
重い火傷を負ったラウダ。
太いパイプを喉に差込み、肺から真っ黒い膿を吸い出す治療は見てるのもつらかったですね。
結構痛い場面もそこここにあるんですね、この映画。
ガードに突っ込んで死亡した選手も首が無かったらしいですしね
僕ははっきりとは見えなかったんですが、一瞬だったし。
だが、リハビリを乗り越え、ラウダは不死鳥のように舞い戻る。
ここら辺は完全にラウダが主役になってましたね。
復帰後の最初のレースで冴えを取り戻すところも鳥肌モノ。
最後の対決の舞台は日本。奇しくも先のニュルブルクリンク以上の土砂降り。
そんな中、どんな死闘が見れるのか?
史実を知らない僕にとっては、非常に気になる展開ですが
何とラウダは開始して早いうちにリタイアしてしまう
でも拍子抜けしたのではなく、むしろホッとした。
もう妻を悲しませたくない、何よりラウダ自身が生きたいと強く願ったのだろう。
そして勝負から身を引いても何も後悔はないというのだから。
ラストスパートにかけるハント。
ここで彼の脳裏に、ラウダとの印象最悪だった初対面、数々の対決、そんな6年間がフラッシュバックする
それがもう、本当にベタな演出で、昔の少年アニメを見てるような懐かしい感覚になったけど
それでも燃えまくりで、泣きそうになってしまった。
ちなみに、僕は映画見て感動しても涙を流すことは滅多にないんです。
謎の自慢、というか自慢にもなってねーw
あのときのハントは死をも覚悟していたように思う。
そんな瞬間、頭に浮かんだのが今まで付き合ってきた数々の女性ではなく宿敵の男ラウダだった。
見事、チャンピオンになったハントがラウダに言う。
「命に代えてもお前に勝ちたかった」
一時は憎いと感じたこともあったろうけど、自分でも気づかない心の底で
ハントは常にラウダをリスペクトしていたような気がする。
そしてレーサーとしては敵わないことも。
だからこそ、同等になりたかったし、勝ちたかった
お互いを「チャンプ」と呼び合い、別れる二人。
相手を打ち負かしたいという恨み積もり、自分のほうが上だという優越感とは一切無縁の
崇高な、誇り高き男たち。
戦う男は美しい
そんなことをしみじみ感じる一作でした。
喧嘩別れしたモデルの奥さんと、F1から手を引いた貴族がTVでハントを見守ってる場面もよかった。
こういう配慮も嬉しいですね。
あの貴族さん、結構いい人だったし撤退せざるをえなかったのは無念だったろうな。
それと
字幕で見たのですが
ラウダの口癖"ASSHOLE"が阿呆と訳されてまして(吹替ではどうだったんだろう?)
まあ直訳だし、原語も日本語も偶然にも音が近いこともあり
こうなったんだと思いますが、個人的にはちょっと好きじゃなかったですね
他にどう訳せばいいんだって話ですけど。
愚か者、間抜け、たわけ、とかでしょうか。
自分としては”バカ野郎”が結構近いと感じます。
あと、もうひとつ書きたいこと。
評価は非常に高いものの、興行的には苦戦して、期待されたアカデミー賞も完全無視という
のが何とも残念だった、この「ラッシュ」
とはいえ、これだけ完成度の高い作品を作り上げたのだから
監督自身はさぞ満足していることだろうと思います。
それでも、アカデミー賞全部門ノミネート0はねーわ
だって、今年のノミネーションをアナウンスしたのがクリス・ヘムズワーズ
つまりこの映画の主役ですよ!?新種の当て付けかよ。
もう過ぎたことだから仕方ないけどさ。
ちなみに動画はこちら
トリッキーな作風の監督が人気を集める昨今では
ハワード監督の演出はちょっと正攻法というか生真面目すぎるのかもしれない。
別の言い方をすると毒がないとも言える。
キャラクターの描写も落ち着いてるし
今回のハントも、見る前はもっと破天荒なのを想像していたんですが
ちょっと遊び人でわがままなところ以外は十分、紳士でした。
他の監督なら、もう少し暴れん坊に描いたんじゃないかな
ハワード監督についてよく言われる評は
「優等生」「教科書的」「いつも70点」、そういうのを目にします。
常に70点をキープしてるのが本当なら、早々出来ることじゃないと思いますけどね(笑)
大体、100点の映画なんてあるのか?仮に誰かにとって100点でも
他の誰かには0点以下の作品だってある。
アクの強い映画が多くなれば、直球テイストの映画が物足りなくなってしまう。
それは確かに言えるよ。
ロン・ハワードは監督デビューして30年以上、いろいろな作品撮ってきましたが
概ねストレートな作風を貫いてきました。
それは万人に受けるための妥協ではなく小細工は必要ないっていう監督の自信の現われである
とファンとしてはそう考えています。
すでに「ビューティフルマインド」でオスカー獲ってますから
気負いせず、撮りたい作品を好きなように撮っていって欲しいですね。
これからもロン・ハワード監督の活動に期待しています。
主演がクリス・ヘムズワースだというのにも注目していた作品
そろそろ終了かなっていう頃合いですが、見ることが出来ました。
よかったです、非常に。
まず、レースシーンがものすごく迫力ありましたね、月並みな感想ですが(笑)
かなり細かいカット割でしたが見辛さはなく、臨場感に溢れています。
”壮大なヒューマンドラマ”と宣伝されてますが、それと同時に一級のアクション映画でもあります。
僕はF1のことは何も知らないのですが(車そのものにもあまり拘らないタチで.....)
それでも、マシンのかっこよさは十分伝わってきましたよ。
ただ他の監督だったら、F1カーそのものをもっと艶かしく撮るんだろうなあ、という気はしましたかね
(リドリー・スコットとマイケル・マンはそういうイメージ)
ハワード監督の焦点はあくまで人間なので
”F1に詳しくない”というのは本作を楽しむ妨げにはならないと思います。
何せ主役のクリスがそれほどF1に思い入れがないといってるのですから
ちなみに監督も脚本家もそれほどF1ファンではないとか。
とはいえ時代考証自体は昔からのF1ファン、
それこそ当時を知っている方々が見ても完璧に近いくらいの再現度らしいですけどね。
「マイティ・ソー」でブレイクした後、当然の如くオファーが殺到した中でこれを選んだ理由
それは尊敬するロン・ハワード監督とぜひ仕事がしたかった、とのこと
監督もオーディション用のテープを見て即決したのだそうです。
クリス曰く「ロンが監督じゃなければ、ただの車についての映画になっていたと思うよ」
よくぞ言ってくれました。
そんな監督・主演のコンビでいま再び新作が製作されています。今度は海洋モノ。
話の核となるのはジェームズ・ハントとニキ・ラウダ。
この御二方は、失礼ながら今回、初めて知りました。
が、その二人の関係、変遷は、まるで、それ自体が極上の物語となりうるほど
ドラマチックなものでした。
ハントはロックスターのようなプレイボーイ。
常に女性が群がり、いや、男も引き寄せるカリスマ性。
豪快に遊び、豪快に走る。
ラウダはストイックな仕事人。地道な努力、鍛錬、したたかな計算力でもって
緻密なドライヴィングでレースを制する。
女には不器用で一途、新婚のハネムーンでは「キャッキャウフフ」と走る新妻を
「待て待てー」と追いかける初々しさである(ちょっと見てて赤面したw)
こう書いてくと、まるでいけ好かないナンパヤロウのハントに
実直な好青年ラウダが立ち向かうみたいな構図に見えてしまいますが(日本的感性だと余計に)
そう単純でもなく、ラウダも結構クセモノで
プライド高すぎて、ちょっと俺様気味というかエゴイストなんですね、レースに関しては。
何せ口癖は"ASSHOLE"ですから。友達も少ない。これはレヴェルが他のレーサーじゃ全然追いつかなくて
ほぼ一人勝ち状態だったからやっかみもあったのかなって気がしますね。
それでも本人は嫌われようがどこ吹く風、ただレースをこなすのみ、それだけさ。そんな態度を崩さない
パーティで盛り上がるハントにラウダは
「君とつるんでる連中はただ愛想笑いをして浮かれて馬鹿騒ぎをしてるだけだ
それは真のリスペクトではない」と言い放つ。
まさに孤高の王者ラウダ。
一方、所属チームのオーナーの貴族がF1から手を引き、居場所を失いクサっていた彼は
悔しさをバネに強豪チームに移籍、面談の際に「俺はあいつに勝つ!」と意気込みを語る。
ここからハントの猛追が始まる!
もうどっちが主人公でも納得する、どっちにも共感できる描き方なんです
ここのレースシーンはいくつかのレースをダイジェストというかモンタージュ風につなげることで
テンポが凄くよく感じました。レースをひとつずつやるとだれちゃうだろうしね
そこにのっかるハンスの音楽、ノリまくりです
その後、劇的な展開を迎えますが、予告編の時点でネタバレしてましたね
ドイツのニュルブルクリンク、悪天候のため、ラウダはレースの中止を提案しますが
(少し前の場面で脛を破壊されて担架で運ばれる人が痛々しい...)
勢いづくハントや少しでもポイントを稼ぎたい選手たちから非難されてます。
怖いのか、とか、このまま勝ち逃げする気か、と。
そもそもラウダ自身が劇中、言っています。
事故死した選手に対して、誰のせいでもない、それが彼の力量だったと。
困難な状況でこそ、ドライヴァーの真価が問われる。
結局、人気者のハントの意見が通り
日頃から付き合いの悪く反感をもたれているラウダに賛成するものはわずかでした。
そんなときに限って、大事故は起きてしまった
重い火傷を負ったラウダ。
太いパイプを喉に差込み、肺から真っ黒い膿を吸い出す治療は見てるのもつらかったですね。
結構痛い場面もそこここにあるんですね、この映画。
ガードに突っ込んで死亡した選手も首が無かったらしいですしね
僕ははっきりとは見えなかったんですが、一瞬だったし。
だが、リハビリを乗り越え、ラウダは不死鳥のように舞い戻る。
ここら辺は完全にラウダが主役になってましたね。
復帰後の最初のレースで冴えを取り戻すところも鳥肌モノ。
最後の対決の舞台は日本。奇しくも先のニュルブルクリンク以上の土砂降り。
そんな中、どんな死闘が見れるのか?
史実を知らない僕にとっては、非常に気になる展開ですが
何とラウダは開始して早いうちにリタイアしてしまう
でも拍子抜けしたのではなく、むしろホッとした。
もう妻を悲しませたくない、何よりラウダ自身が生きたいと強く願ったのだろう。
そして勝負から身を引いても何も後悔はないというのだから。
ラストスパートにかけるハント。
ここで彼の脳裏に、ラウダとの印象最悪だった初対面、数々の対決、そんな6年間がフラッシュバックする
それがもう、本当にベタな演出で、昔の少年アニメを見てるような懐かしい感覚になったけど
それでも燃えまくりで、泣きそうになってしまった。
ちなみに、僕は映画見て感動しても涙を流すことは滅多にないんです。
謎の自慢、というか自慢にもなってねーw
あのときのハントは死をも覚悟していたように思う。
そんな瞬間、頭に浮かんだのが今まで付き合ってきた数々の女性ではなく宿敵の男ラウダだった。
見事、チャンピオンになったハントがラウダに言う。
「命に代えてもお前に勝ちたかった」
一時は憎いと感じたこともあったろうけど、自分でも気づかない心の底で
ハントは常にラウダをリスペクトしていたような気がする。
そしてレーサーとしては敵わないことも。
だからこそ、同等になりたかったし、勝ちたかった
お互いを「チャンプ」と呼び合い、別れる二人。
相手を打ち負かしたいという恨み積もり、自分のほうが上だという優越感とは一切無縁の
崇高な、誇り高き男たち。
戦う男は美しい
そんなことをしみじみ感じる一作でした。
喧嘩別れしたモデルの奥さんと、F1から手を引いた貴族がTVでハントを見守ってる場面もよかった。
こういう配慮も嬉しいですね。
あの貴族さん、結構いい人だったし撤退せざるをえなかったのは無念だったろうな。
それと
字幕で見たのですが
ラウダの口癖"ASSHOLE"が阿呆と訳されてまして(吹替ではどうだったんだろう?)
まあ直訳だし、原語も日本語も偶然にも音が近いこともあり
こうなったんだと思いますが、個人的にはちょっと好きじゃなかったですね
他にどう訳せばいいんだって話ですけど。
愚か者、間抜け、たわけ、とかでしょうか。
自分としては”バカ野郎”が結構近いと感じます。
あと、もうひとつ書きたいこと。
評価は非常に高いものの、興行的には苦戦して、期待されたアカデミー賞も完全無視という
のが何とも残念だった、この「ラッシュ」
とはいえ、これだけ完成度の高い作品を作り上げたのだから
監督自身はさぞ満足していることだろうと思います。
それでも、アカデミー賞全部門ノミネート0はねーわ
だって、今年のノミネーションをアナウンスしたのがクリス・ヘムズワーズ
つまりこの映画の主役ですよ!?新種の当て付けかよ。
もう過ぎたことだから仕方ないけどさ。
ちなみに動画はこちら
トリッキーな作風の監督が人気を集める昨今では
ハワード監督の演出はちょっと正攻法というか生真面目すぎるのかもしれない。
別の言い方をすると毒がないとも言える。
キャラクターの描写も落ち着いてるし
今回のハントも、見る前はもっと破天荒なのを想像していたんですが
ちょっと遊び人でわがままなところ以外は十分、紳士でした。
他の監督なら、もう少し暴れん坊に描いたんじゃないかな
ハワード監督についてよく言われる評は
「優等生」「教科書的」「いつも70点」、そういうのを目にします。
常に70点をキープしてるのが本当なら、早々出来ることじゃないと思いますけどね(笑)
大体、100点の映画なんてあるのか?仮に誰かにとって100点でも
他の誰かには0点以下の作品だってある。
アクの強い映画が多くなれば、直球テイストの映画が物足りなくなってしまう。
それは確かに言えるよ。
ロン・ハワードは監督デビューして30年以上、いろいろな作品撮ってきましたが
概ねストレートな作風を貫いてきました。
それは万人に受けるための妥協ではなく小細工は必要ないっていう監督の自信の現われである
とファンとしてはそう考えています。
すでに「ビューティフルマインド」でオスカー獲ってますから
気負いせず、撮りたい作品を好きなように撮っていって欲しいですね。
これからもロン・ハワード監督の活動に期待しています。
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