ジョン・カーター

ジョン・カーター / JOHN CARTER

2012年 アメリカ映画 ウォルト・ディズニー製作

監督:アンドリュー・スタントン
原作:エドガー・ライス・バローズ
脚本:アンドリュー・スタントン  マイケル・アンドリュース  マイケル・シェイボン
編集:エリック・ザムブルネン
撮影:ダン・ミンデル
衣装:マイェス・C・ルベオ
プロダクションデザイン:ネイサン・クロウリー
音楽:マイケル・ジアッキーノ

出演:テイラー・キッチュ  リン・コリンズ  ウィレム・デフォー  マーク・ストロング



2D字幕で見ました。
CGアニメはなるべく3Dで見るようにしてるんですが、実写の3Dは不評が多いので

何やら赤字だとか何とかっていう報道されてますが

一応楽しみにしてる人もいるんだか
そういうマイナス情報ばかり流すのってあまりよくないと思うんだよね
作品そのものの評価と興行は別なんだとわかってても見る気そがれちゃう

僕が見たくなったのはテイラー・キッチュの初の主演大作だったから
この人は「ウルヴァリン X-MEN:ZERO」で初めて見たとき
すごくかっこよくて一発でファンになりました。

原作の「火星のプリンセス」にも関心がありましたし。
映画化される前、何となく題名だけは知ってましたが、
むしろこの小説に興味を持ったのは映画化のニュースがきっかけではなく
2chのヘヴィメタルのスレッドを読んでいたときでした。

MANOWARのジョーイ・ディマイオなど
ヘヴィメタルを演奏したり作曲するミュージシャンは何故ドラゴンやら魔法使いやら剣士
といった歌詞を抵抗無く書けるのか、また歌えるのか
その理由のひとつに彼らが子供の頃、そういう小説を夢中になって読み込んでいたからというのがあるそうで
そんな小説の代表が、まさにこの「火星のプリンセス」と後に続くシリーズだったということです。

そもそも「ヘヴィメタル」という言葉は最初は音楽用語ではなかったそうです
SF冒険活劇やヒロイックファンタジーというジャンルの登場人物は
剣や鎧など何かしらの金属製の物体(メタル)を身につけていることから
これらの読み物はひっくるめて「ヘヴィメタル」と呼ばれるようになった、と。

そろそろ映画の話を書きますか(笑)

結構おもしろかったですし、僕は好きですね、この作品

ただね、全体的にちょっとのどかというか、懐かしいというか

そういう作品の雰囲気がハード&リアルテイストをよしとする現代の感覚で
見ると間延びするというのは確かにあると思う。

とはいえジョン・カーターのキャラクターには現代的というかイマドキな描写がされています。
それはジョンの抱える深い悲しみです。

南北戦争でジョンは南軍大尉として戦っている間に妻子を失いました。
(何が原因かは分かりませんが家が焼け落ちていたので暴徒にやられたのかな。
 不注意の火事とかではないと思う)
大義を信じて軍に参加したのに。ずっと側にいれば救えたはずだった。
喪失感、無力感、トラウマ(あれ、これって「ラストサムライ」?)が彼を苦しめる

以後、ジョン・カーターはすっかりダメ人間となり
あるかどうかわからない金脈を掘り当てて大金持ちと吹聴して回る地元の名物アンちゃんに。

で、火星(火星人は自らの住む惑星をバルスームと呼ぶ、バスルームではない)に飛ばされて
最初は得体の知れない余所者ということで邪険に扱われるのですが
徐々に信頼を得て、精気を取り戻していきます。

ジョンが大勢の敵に立ち向かう場面は中盤のハイライトです。
「今度こそ守ってみせる」と言い、大群に斬りこんでいく様は
近年、数多のアクションシーンのなかでもなかなか見られないほどエモーショナルでした。
この時点でジョン・カーターは戦士として完全に復活します。

正直、ここが一番盛り上がったんですけどw
その後もコロシアムでの白い大猿との死闘、クライマックスのチャンバラと飽きさせません。

美術やセットもしっかり作りこんであるし、ギリシャやローマ、アラビアといった
古代世界を彷彿とさせるコスチュームなど僕としては眺めてるだけでも楽しめるものでした。
緑色人のデザインは好きじゃなかったけど

キャストも皆良かったです。

テイラー・キッチュは主役をやるには華が無いなんて意見も聞いたけど
僕は文句も不満もありませんでした。
演技も違和感なく長髪も時代物の衣装もバッチリ決まってる。
ちょっと目つきが悪いようにも見えたけど、そこがヤサぐれたジョン・カーターにピッタリ。

難点を挙げるとすれば
ストーリーはジョン・カーターの贖罪と再生に焦点が当てられ
とことん痛快な冒険譚を味わえるわけではないということでしょうか

100年前に書かれた原作は主人公も物語も、もっと単純明快な物語だったようですね。

ヒーローはどこまでも強く絶対の正義
悪役は悪そのもの、倒さなければならない存在、理由は不要
ヒロインは守られるべきもの

これは昔のヒーロー小説に対して僕が持ってるイメージで
原作の「火星のプリンセス」がこうだと言ってるわけではありませんが

そういった王道を今の時代にそのまま映画にしても恐らく非難の対象になるのでしょう。
男が異世界に乗り込んで大活躍というプロットも含めて

そういった点を考慮したアレンジが、逆に原作の魅力を大きくスポイルしてしまったのかもしれません。

だからと言って超シリアスでもない、笑いの部分もあり

そういうところは大人も子供も楽しめるディズニーらしい作りなんだけど

そこが今の観客にはどっちつかずでユルく見えるんでしょうね
(って自分もまさに、今の観客なんですが、好きですよ、この映画)

何度も書きましたが、世間でいくら失敗作と言われようと
僕はおもしろいと感じましたし、好きです。

それにこの作品は後年、再評価されたり、カルト的な人気を集める魅力は十分備えていると思う。
実際、現時点で「続編作ってくれ」的な呼びかけも本国ではされてるようです
(多少の判官びいきもあるのかもしれないけど)

ただ、最終的な目標が大ヒットである大作が不調ということは
当然、同じジャンルの企画が通らなくなるだろう、っていうのがね

しばらくヒロイックファンタジーを劇場で見ることは出来なくなるかもしれない

しかし何時かは、必ず蘇るでしょう。
英雄の物語は不滅であり戦士のスピリットは死なないのです。
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Author:バーンズ
2010年4月からブログ始めました。
1985年生まれの北海道住まい。

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