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シティ・オブ・ゴッド

シティ・オブ・ゴッド / CIDADE DE DEUS

シティ・オブ・ゴッド [DVD]シティ・オブ・ゴッド [DVD]
(2010/04/16)
アレッシャンドレ・ロドリゲス

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2002年 ブラジル映画

監督:フェルナンド・メイレレス  
製作:アルドレア・バラタ・ヒベイロ  マウリシオ・アンドラーデ・ラモス
原作:パウロ・リンス
脚本:ブラウリオ・マントヴァーニ
撮影:セザール・シャローン
編集:ダニエル・レゼンデ
音楽:アントニオ・ピント  エド・コルテス

出演:アレクサンドル・ロドリゲス レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ  セウ・ジョルジ
     アリシー・ブラガ   ドグラス・シルヴァ

嗚呼,魅惑の映画道+Σのhiroさんが選定された作品のレビューで
僕も「ブログ DE ロードショー」に初めて参加させていただきました!

実はこの作品、二度目の鑑賞。確か18~19歳の頃でしたね。
映画で描かれるようなハードな世界では全く無いですが、
それでもこれからどうなるんだろうという不安と期待、夢、青春
そんなものを思い出して、しばし遠い目で感慨にふけりました。
そして、今の自分は......まぁ、気楽に頑張ります(笑)

僕はこの映画、凄いとは思ったが、好きというわけではなかった。
恐らくhiroさんからお誘いを受けなければよっぽどでない限り
見直すことは無かったでしょう。hiroさん、そしてmiriさん、ありがとうございました。

そんなわけで今回、再見しましたがテンポのよさと構成力の高さで一気に見終わった。
同じ中南米発の「アモーレス・ペロス」が非常に退屈だっただけにこのスピード感はありがたい。
(最近、ちょっとダレると中断したくなっちゃう。いけませんね、こんな見方)

主人公はナレーターでもあるブスカペだが、真の主人公は登場人物全員を含む”街”かな。

売人の仕事場である部屋だけでも、前は誰々が仕切ってて追い出されて
追い出したヤツもまた消されてっていう歴史がある。
そもそもの始まりである”優しき三人組”の物語もそれだけで一つの作品になりそうなドラマ

ってか、エンジンかからないから後ろから押して、しかも周りは警官だらけ。
で、車外に出るとか死亡フラグバリバリだな


”二枚目マネ”のエピソードには考えさせられる。
過去に従軍の経験があり、まじめにバスの料金係として働いていたが
リトル・ゼにプライドや彼女を傷つけられ、家族も殺されたことによりギャングに加わる。
なまじ戦闘訓練を受けただけに、強盗と銃撃の手際もよく
あっという間に頭角を現していく
”ただリトル・ゼに制裁したい。無関係な人間は巻き込まない”という信念のもとに動くマネだが
やがて慣れが彼を変えていく。まあ、それでも良識的なほうでしたが。
しかしラストで意外な落とし穴が...!
日本のドラマでよくあるじゃないか。”復讐は復讐を生む”とか”憎しみはむなしい”とか
よくわかるし、ごもっともですけどね、”相手を許せ”ってこと。
でも映像と展開で見せられるほうが、台詞だけで説明させられるより
ハッとさせられるね。でも、この作品の中ではそれはただの出来事
良いも悪いも無い、単におきただけ。ああいう行為は、それこそ原始時代から
ずーっと人間がやってきたことだろうから、悲しいかな一種の本能なのかもしれない。
肯定するわけではないですよ。

さて、人を撃つのに何の戸惑いも見せないリトル・ゼ。
そんな彼も親友ベネ(マネとかベネとか似た名前多いよなぁ)
にだけは心を許すが、そのベネも命を落としたことから完全にタカが外れる。
それを区切りに組織の勢いも翳りを見せ始めるのだった。

反面、冴えない青年だったブスカペが街の中をうまく立ち回るうちに
チャンスをものにし、成長していくさまは爽快感がある。

悲惨な世の中でも、生きてれば何とかなるもんだと思わせてくれる
不思議と元気になる、そんな作品です。

ま、何とかなると言っても、ブスカペって凄い努力してるとは思うんですけどね。
そう感じさせないのは、キャラクターとかナレーションなんだろうか。
そういうところが、本来とてつもなく悲惨な内容の、この作品を見やすくしているのだろう。

しかし同じ監督の「ナイロビの蜂」って説教臭い社会派ドラマで
僕は全くダメでしたね。メッセージの尊さはわかりますが、映画が好きになれるかどうかは別。
「ブラインドネス」は見てません。どうでしたか、コレ?

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おはようございます☆

>真の主人公は登場人物全員を含む”街”かな。

あ~これこれ、これは本当にそうですね!
自分では表現できなかったけど、つまりは、そういう事だと思います☆
すごい、バーンズさん♪

私はこの監督
ブランドネス→この作品→ナイロビの蜂、の順で鑑賞して、
最低→良い作品→すっごく良い作品、の順で、見るたびに良くなっています。

今回は初のご参加と記事を有難うございました☆

もし宜しかったら、この記事を記録の記事に、
バーンズさんのお名前をこの企画の参加者リストに、
書かせて頂きたいのですが、宜しいでしょうか?
ご了承を頂いてから、させて頂きますね~!

次回以降もお誘いさせてもらって良いでしょうか?
これを機にどうぞ宜しくお願いいたします!


http://saisenseisuki.blog97.fc2.com/blog-entry-1211.html 記録の記事

http://saisenseisuki.blog97.fc2.com/blog-entry-1275.html 参加者リスト1

http://saisenseisuki.blog97.fc2.com/blog-entry-1292.html 参加者リスト2

Re: おはようございます☆

> >真の主人公は登場人物全員を含む”街”かな。
> あ~これこれ、これは本当にそうですね!

主要人物だけじゃなくて、脇の脇、通行人みたいなキャラにもそれぞれの人生があるんだろうな
と思わせてくれました。

> 今回は初のご参加と記事を有難うございました☆
>
> もし宜しかったら、この記事を記録の記事に、
> バーンズさんのお名前をこの企画の参加者リストに、
> 書かせて頂きたいのですが、宜しいでしょうか?
> ご了承を頂いてから、させて頂きますね~!

ありがとうございます、ぜひお願いします!

> 次回以降もお誘いさせてもらって良いでしょうか?
> これを機にどうぞ宜しくお願いいたします!

こちらこそ宜しくお願いします!

見応えありました!

こんばんわ、バーンズさん!

バーンズさんや他のブロガーさんみたいに上手い事言えないあたくしですが
とっても観易くて それでいて深いメッセージがあった様な気がしますー
重いお話しなんだけど ここまで爽快なのも珍しいっす♪ やっぱ構成ですね!

TBどもでしたー(^^ゞ

No title

猫人さん、こんにちは。

同じ作品でも色々な方のそれぞれ違う感想が読めてとても楽しい企画ですね。

猫人さんのレビューも的確な箇所、ついていらっしゃいますよー!

こんばんは~

言い得て妙な感想をありがとうございました~
確かに主人公は一人じゃなく多人数、神の国全員
そんな感じがしました!

死亡フラグも確かに('∀`)
エンジンかからず位から、ファイナルデットコースターみたいな死の宣告が見えましたよー。

売人の部屋の変遷も読ませて頂いて
思い出しましたけど、好きなエピソードです。

全体的に現在と過去の回顧のバランスが素晴らしい
とも思いました!

ナイロビが嫌いならブラインドネスを
支持されるのかも知れないです???
クリーチャーの出ないミストかな~

こんにちは

街が主役、確かにその通りでしたね!
鶏や犬すらもあの街で生きているという目をしている気がしました。

わたし的には、チラッとしか出てこなかったマネの家族の今後が気がかりです。復讐の連鎖とか、あれからもずるずると続いていってしまうんでしょうか。

ブスカペのようなひとも、きっとたくさんいると信じたいです。

hiroさんへ

こんにちは。hiroさんのおかげで見直す機会を得ることが出来ました。
本当にありがとうございます。でも次見る機会があれば
またずっと先かもしれません(笑)

「ミスト」も「ブラインドネス」も見ていないんですが
テーマは極限状態における人間の本性とかそういう感じでしょうか?
こういう内容は気分が悪くなる場合もありますが嫌いではないです。

宵乃さんへ

はじめまして!

劇中の台詞でもありましたが、
敵対するものの知り合いというだけで、恨みあるなしに関わらず襲う理由になるんだっていうのが怖いですね。
サンバのリズムのように明るく、すっきり許しあって欲しいものです。

衝撃的

バーンズさん、こんにちは!

娯楽作品的なノリで観ていたら、
実在の人物の写真が出て来たので、すごく衝撃を受けました。
あまりに命が軽すぎる、こんな街が現実にあるとは・・・!

ブスカペはギャング集団からちょっと離れた所にいて、
第3者的に熱くならずに抗争を眺めていたし、
銃でなくカメラを持ったので、チャンスを物に出来たんだと思います。
そういう生き方が出来る人が生き延びるんですよね。

「ナイロビの蜂」のメッセージ性はいいと思うけど面白さに欠けるかも。
観た時は良かったと思ったけど、今となってはそれ程でもないかな(^▽^;)
「ブラインドネス」は何が言いたいのか分かりにくい(^^;
それぞれが自分で考えて下さいみたいな映画です。

No title

YANさん、こんにちは!

悲惨な実話ではありますが、話として単純におもしろいという側面もありました。
おもしろいと感じるのも不謹慎ですが・・・・・・
語り口が巧いってことなんでしょうね。

「ナイロビの蜂」は内容よりも奥さんがどうも好きになれなかったです。
演じるレイチェル・ワイズは大好きな女優ですが。そういえばレイチェルは
この作品でアカデミー賞女優になったんですよねー
でも、最近出演が少ない気がする・・・・・。

ブスカベ

こんにちは。
街が主人公というのはナイスな表現ですね。
街の歴史を描いてるわけですからしっくりきます。

各々のエピソードもそれぞれ印象に残りますが
ブスカベがいたからこそ面白く観れた映画です。

彼の立ち回りは確かに爽快でしたね。

Re: ブスカベ

たまさん、こんばんは!

> 街が主人公というのはナイスな表現ですね。
> 街の歴史を描いてるわけですからしっくりきます。

ありがとうございます。街といえばそのものずばりのタイトル「ザ・タウン」結局劇場では見ませんでした。
レンタルでジックリ鑑賞したいと思います。

ブスカペも決して完璧な優等生ではなくて、それゆえ感情移入も出来た気がします。

No title

こんばんは、悪口男です。

一つ一つのエピソードを取り上げていて、鋭い記事ですね。
まともに見ないで全否定した、どこかのブログと違って(笑)。
結構良い映画なのかもって思えてきました……。

18~19歳の時に見たら、ガツンとショックを受けそうです。
たしかに南米の映画ってタルいイメージですけど、
本作はそれを打ち破るパワーがありますね~。

Re: No title

ケンさん、こんばんは

> 結構良い映画なのかもって思えてきました……。
僕は「シティ・オブ・ゴッド」力作だと思ってますが(好きな作品と言うわけではないです)
ケンさんの別の切り口からのレビューを読んで、改めて参考になりましたし
どうぞ御自分の率直に思ったこと、感じたことを大切にしてくださいね!

> たしかに南米の映画ってタルいイメージですけど、
そんなに数見てるわけじゃないんですが「アモーレス・ペロス」はホントにつらかった......
最近、つまんなく感じると停止だけじゃなくて早送りのクセまでついちゃって
さすがに作品に失礼かなと思ったりしますが、それでもレンタル料金払ってるのは自分ですし
まぁ、いいかな、と(笑)
プロフィール

バーンズ

Author:バーンズ
2010年4月からブログ始めました。
1985年生まれの北海道住まい。

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